2006年04月30日

神奈川県警の「放置死」、県のみ550万賠償命令

横浜市保土ヶ谷区で1997年7月、事故車の中で倒れていた同市泉区の自営業の男性が保土ヶ谷署員に放置されて死亡し、監察医も司法解剖を行わずに虚偽の検案書を作成したなどとして、妻ら遺族4人が神奈川県や監察医らに約1億6200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、横浜地裁であった。
裁判長は、署員が救護義務を怠り、男性を放置したと認め、県にのみ約550万円の支払いを命じた。その他の請求は棄却した。
判決で裁判長は、署員2人が通報で駆け付けた際、車には事故の形跡があり、久保さんは肩を揺すっても目を覚まさなかったことなどから、「重度の意識障害に陥っていたことは明らかだった」と指摘。救急車を呼んだり、病院に運んだりするなどの「個人の生命を保護する警察官の義務を怠った」と過失を認めた。
また、救護措置をしなかったことと死亡との因果関係は否定したものの、署員が救護していれば死期を遅らせることができたとし、延命の可能性を侵害したとした。

一方、解剖された臓器が保存されていることなどから、司法解剖は行われたと認定。臓器片を「別人のもの」としたDNA鑑定については、臓器が薬品内で長期保存され、正確な鑑定が困難だったとして採用しなかった。
判決前に「納得できる判決が出れば夫の命日にしたい」と話していた妻は「科学的な鑑定結果を否定した判決で、全く信じられない。これでは夫の命日にならず、夫に報告もできない」と怒りの表情を見せた。控訴については今後検討する。
一方、県警の高瀬順治監察官室長は「裁判所の判断を厳しく受け止めている」との談話を発表。控訴については「判決を十分精査し、判断する」とした。
(読売新聞)4月25日


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