2005年08月

2005年08月31日

六本木ヒルズ、新潟中越地震でエレベーター損傷

昨年の新潟県中越地震で、震源から約200キロ離れた東京都港区の六本木ヒルズ森タワー(54階建て、高さ238メートル)のエレベーター6基が損傷、うち1基は8本ある主ロープ(ワイヤ)の1本(直径約1センチ)が切れていたことが分かった。地震を感知して停止させる装置が長周期地震動の揺れに反応せず、運転を続けたためらしい。日本エレベータ協会(東京)はワーキンググループを発足させ、未知の部分が多い長周期地震動の対策を検討している。

森ビルによると、森タワーでは67基のエレベーターのうち6基が機器の損傷などで停止し、2基では乗客が閉じこめられた。1基では、客室をつるワイヤ8本のうち1本が、電源・信号用ケーブルを留める金具にひっかかり、運転を続けたため強く引っ張られて切れた。残り7本のワイヤに損傷はなく、安全性に問題はなかったという。

同協会のまとめによると、中越地震では新潟県内だけでなく、首都圏などでもエレベーターの被害が相次いだ。「新潟県以外でも機器の故障が30件、乗客の閉じこめが11件発生した。高さ100〜200メートルを超える超高層ビルのケースが多い」と説明する。

建物や構造物は大きさなどによって揺れる周期(固有周期)が決まっており、一般的に建物が大きいほど固有周期も長い。固有周期と揺れの周期が一致すると、共振して揺れが増幅される。森タワーも長周期の揺れに共振し、ワイヤが大きく揺さぶられて被害が出たと森ビルはみており、既に高層階用28基のワイヤの揺れを抑える金具などを取り付けて対応した。管理会社など4社と、抜本対策を検討する共同研究も進めている。「中越地震では震度が3だったのに、予想外の被害を受けた。対策を進めて被害防止に万全を期したい」と話している。

一方、東京で震度5強を記録した先月23日の地震では短周期の揺れが強く、地震を感知して停止させる装置が作動し、機器の損傷はなかった。

ことば…長周期地震動
カタカタと揺れる通常の短周期の揺れと異なり、数秒から十数秒の周期でゆっくりと揺れる地震動。周期が長いほど減衰しにくく、数百キロ離れた遠方まで伝わる。都市の地盤である厚い堆積(たいせき)層は揺れを増幅させる。超高層ビルなどの巨大建築物はもともと揺れの固有周期が長く、こうした地震動に共振し、揺れがさらに大きくなって被害を招く恐れがある。03年十勝沖地震では、北海道苫小牧市の石油タンクがスロッシング(液面揺動)を起こし、2基のタンクで火災が発生した。
(毎日新聞)

securitygoods at 20:06|Permalink 防災 

2005年08月28日

クボタ石綿被害、工場近くほど死亡増加 因果関係を示す

大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)周辺で石綿(アスベスト)関連がんの中皮腫が多発している問題で、奈良県立医科大の車谷典男教授(産業疫学)らが、工場周辺の中皮腫死者の発生率について人口動態統計と比較したところ、工場に近いほど高倍率で死者が出ていることが分かった。工場から500メートル以内に居住歴がある人の中皮腫死者発生率は9.5倍に達した。こうしたデータが明らかになるのは初めてで、車谷教授は「原因を工場と仮定しても矛盾しない」としている。

奈良県立医科大が調査
調査は、患者支援団体「関西労働者安全センター」(大阪市)が集めた情報をもとに車谷教授らが、患者や遺族55人から診断書や居住歴の資料などを取り寄せ、面接調査した。このうち46人(41人は既に死亡)には石綿関連の職業歴はなく、工場周辺での居住歴があった。今回は2000年以降に死亡した26人を対象に分析した。

人口動態調査での日本の中皮腫死亡率は、1年間で14万人に1人とされる。工場からの距離によって区域を分類したうえ、人口動態調査の死亡率をもとに各区域での想定死者数を算出。実際の死者数と比較した。

その結果、500メートル以内の区域では、計算上0.63人になるが、実際の死者は6人で9.5倍に達した。また、500メートル〜1キロでは1.90人の計算に対し、4.7倍の9人が死亡していた。1〜1.5キロでは、7人が死亡し、2.2倍だった。車谷教授によると、今回の結果は中間報告だが、統計学的に有効という。

一方、同センターは、今回面接した46人以外にも、職業歴がなく周辺地域に居住歴を持つ中皮腫患者7人(3人は既に死亡)がいることを確認しており、こうした患者が計53人に上ることも新たに判明。調査が進めば死亡率がさらに高くなるとみられる。

▽津田敏秀・岡山大大学院教授(環境疫学)の話 石綿ばく露量(距離)と反応(中皮腫発症)の関係がはっきり表れており、工場との因果関係を示すものだ。比較のもとになった全国の中皮腫死者数には仕事上石綿を吸った人も含むので、一般と比較した工場周辺の相対危険度は実際はかなり高いと考えた方がよい。
(毎日新聞)

securitygoods at 07:08|Permalink アスベスト 

悪質リフォーム、高報酬求めた”セールスマシン”

埼玉県の用水路で今年1月、ばらまかれた現金1800万円が見つかった。その後の展開は、意外なものだった。

1800万円は、盗まれた金の一部で、盗難の被害総額は6000万円。被害届を出していたのは26歳の会社員。埼玉県警の捜査で、6000万円は悪質な訪問リフォームで稼いだカネと分かり、窃盗事件の被害者が特定商取引法違反(不実告知)容疑で逮捕、起訴された。さいたま市にある訪問リフォーム会社の名うての営業マンだった。

元同僚が「客が断る理由を一つずつ崩していく」と評する彼の営業は、お年寄りたちを根負けさせた。同県内で独り暮らしの82歳の女性もその一人だ。女性は以前、同社に耐震補強工事を依頼した。「無料点検」と言って、2年後に訪ねてきたのが被告だった。

「湿気で家が持たない」。不安をあおり、数日後には床下換気扇数台を持ち込んだ。購入を渋られても、粘りに粘った。
「1台だけでも」「支払いは月賦でも」……。
最後は手を合わせて懇願され、床下換気扇4台の購入を決める。その後に示された請求額は220万円。1級建築士によると、適正価格の10倍だ。「葬式代を残したい」と訴えると、被告は態度を一変させ、「いくらでも安い葬儀屋はありますよ」と言い放った。

「『お母さん』と呼んでくれたりやさしかったのに、契約を終えた途端に薄情になった」。助産師をして、1人で暮らす老後のためにこつこつためたお金だった。被告はこうして多い月は800万円を稼いだ。

被告は十数種のアルバイトを経て、高収入の広告が目にとまり、リフォーム業界に入る。東京都から行政処分を受けたリフオーム会社に就職。

「まるで機械」と元同僚は述懐する。ひたすら高い報酬を求めた。「無分別に業界に染まった」というのが捜査員の印象だ。「この世界だから上にいられる」と、仲間には打ち明けた。
一方、高級外車に乗るなど派手な生活が当たり前の業界で、金銭感覚は独特だった。昨年春までは友人と同居して家賃を浮かし、後輩との食事は1円単位で割り勘にした。車は、父から譲り受けた中古トラックだ。
「トップでいたかった」「この仕事は先が見えず、ためられるだけ金をためたかった」。県警の調べに、そう答えた。
(毎日新聞)

securitygoods at 07:01|Permalink 詐欺事件 

2005年08月25日

佐賀県公安委、唐津の警備会社を業務取消処分

佐賀県公安委員会は24日、唐津市の警備会社を、今後5年間の業務取消処分にした。
県警生活安全企画課の調べでは、同社は03年4月、5年ごとにある警備業認定証の更新の際、同社役員の男性が警備業法で経営を禁じられている「欠格事由者」であるにもかかわらず、実際に経営に携わっていたことを隠すため、退職したように装い、認定証を更新した。
この男性は当時、禁固以上の有罪判決を受け、執行猶予中で、社員と共謀して商業登記簿から自分の名前を外していた。
役員と社員は警備業法違反の疑いで、唐津区検に書類送検された。
(毎日新聞)

securitygoods at 23:38|Permalink 事件 

被害額5億4250万円と確定、史上最悪・栃木の警備会社強奪事件

栃木県南河内町の警備運送会社で昨年10月、多額の現金が奪われた事件で、約5億2400万円とされていた被害金額は約5億4250万円に上り、国内の現金強奪事件では過去最高だったことが24日、分かった。
警察庁によると、これまでの最高額は1994年、神戸市の旧福徳銀行神戸支店前で奪われた5億4100万円。

事件は昨年10月17日午後6時20分ごろ、複数の男が警備事業本部の事務室に侵入、従業員2人の手足を粘着テープで縛り、栃木県内のスーパーなどから預かった売上金が入った手提げバッグ二十数個を金庫室から奪って逃げた。事件は未解決だ。
警察の調べでは、被害額は約5億2400万円だったが、会社が預かった額を調べ直しし、2000万円近く多いことがわかったという。
(読売新聞)

securitygoods at 23:36|Permalink 事件 

2005年08月24日

アスベスト死、クボタが遺族6人に初の弔慰金

大手機械メーカー「クボタ」の旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民が、アスベスト(石綿)が原因とみられるがん「中皮腫」を発症している問題で、患者支援団体「尼崎労働者安全衛生センター」は24日、クボタが死亡した6人の遺族に弔慰金、患者1人に見舞金各200万円を支払ったと発表した。
同センターは、他にも14人の中皮腫発症者・死亡者の資料をクボタに提出したと説明。新たな住民の健康被害は少なくとも21人に上ることが確実になった。

クボタが、死亡住民の遺族に弔慰金を支払うのは初めて。同社はすでに患者3人に見舞金を支払っている。

死亡した6人は当時33〜45歳。旧神崎工場の半径1キロ以内に居住歴があり、1988年〜2003年に発症し、3年以内で死亡した。職業は調理師、ホテルマン、保育士など。同センターが職歴などを調査をした結果、いずれも仕事でアスベストを取り扱ったことはなく、「旧神崎工場の影響以外に原因は考えられない」という。
(読売新聞)

securitygoods at 22:02|Permalink アスベスト 

2005年08月22日

壁吹き付け石綿で中皮腫大阪の死亡男性、建物貸主に賠償請求へ

大阪府で30年以上文具店を経営し、アスベスト(石綿)関連がんの中皮腫で死亡した男性の肺組織から、店舗の壁に吹き付けられたのと同じ青石綿が検出されたことが22日、分かった。
調査した医師らによると、石綿吹き付けの建物にいたことで中皮腫の発症が確認されたのは国内で初めて。男性の遺族側は店舗が入居していた建物の貸主側に損害賠償と石綿の早期除去を求める意向を明らかにした。

男性は1969年から2003年まで、倉庫の壁に毒性の強い青石綿が吹き付けられた建物で文具店を経営。01年11月に悪性胸膜中皮腫を発症し、昨年7月、70歳で死亡した。遺体を解剖した結果、肺組織から一般人の約2倍の値の石綿小体と13本の石綿繊維が確認された。その大半が一般環境では検出されることがない青石綿だった。男性は1日平均1時間以上、倉庫の中で仕事をし、時には清掃もしていたという。 
(時事通信)

securitygoods at 22:16|Permalink アスベスト 

2005年08月21日

容疑者のDNA型をデーターベース化に、遺伝情報-究極の個人情報

警察庁は、裁判所の令状手続きを経て容疑者から採取した血液などを鑑定して得たDNA型情報について、9月1日からデータベースの運用を始めることを決めた。国家公安委員会は同日、データベース化の手続きや情報管理などを定めたDNA型記録取扱規則を制定した。

犯罪現場に残された毛髪や体液などの資料のDNA型情報はすでに昨年12月から登録されており、容疑者の型情報と照合することで余罪解明などにつながりそうだ。

DNAは身体的特徴や病気などの高度な遺伝情報も含む『究極の個人情報」とされるが、規則では遺伝情報を含まない11種類の型情報に限定して、データベース化の対象とする。

全国の警察本部が保管する容疑者採取の型情報は、6月末現在で約2100人分。罪種別では強姦が約29%と最多で、殺人の約13%、窃盗の約12%、強盗の約11%、強制わいせつの約8%など。
(産経新聞)

http://www.securitynet.jp/life/dna.htm遺伝子情報-究極の個人情報







securitygoods at 07:10|Permalink 個人情報 

2005年08月20日

鍵の契約トラブル相次ぐ-不安あおる警備業者に注意、京都府警

玄関の補助鍵の取り付け工事の契約をめぐるトラブルが京都で相次いでいる。防犯意識の高まりを背景に、必要以上に不安感を与えて契約を結ぶケースもあるといい、京都市や京都府警は注意を呼びかけている。

京都市市民生活センターによると、
鍵の取り付け工事に伴う相談は2年前まで年間で10件以下だったが、昨年度は34件に急増。本年度は学生を中心に7月までで、すでに36件に上っている。
多くは警備会社員を名乗るセールスマンが学生マンションなどを訪問。

近所で強盗が起きたので危ない
狙われるかもしれない
などと不安をあおり、契約を結ぶ。鍵はドアの内側に取り付けるタイプで、金額は15万円前後が多く、なかには38万円の高額の契約もあったという。

センターや相談を受けた府警は
販売意図を隠して訪問している
強く不安をあおって勧誘していることは問題とみて、特に苦情の多い業者は指導している。
(京都新聞)



鍵、窓、扉の防犯対策

securitygoods at 11:55|Permalink 防犯 

詐欺?住基ネットの虚偽はがき、注意呼び掛け-新手振り込め詐欺か

架空の総務省認可法人を名乗り、「住基ネットに重大な登録違反がある。至急連絡を」と虚偽の事実を書いたはがきを送りつける事案が県内で相次いでいる。警察は、「新手の振り込め詐欺の可能性もある」とみて注意を呼び掛けている。

はがきには「住基ネット個人情報保護法に基づく緊急通達」と赤字で書かれ、「重大な登録違反が発覚した」として、記載の電話番号に至急連絡するように求めている。連絡がなければ刑事告発を含めた法的措置を取ると記されている。

総務省市町村課によると、12日現在、全国21都県で同様のはがきが確認されている。記載された番号に電話をかけた人の中には、七十数万円を振り込むよう指示されたケースもあったという。県警捜査2課の担当者は「形を変えた振り込め詐欺かもしれない。住民基本台帳の個人情報を悪用するケースも考えられる」と話している。
(毎日新聞)

securitygoods at 07:52|Permalink 事件 
最新記事
月別アーカイブ